本日は外資系で働いているもしくは転職を考えている人のためにESPP、RSU、ストックオプションについてまとめておきたいと思います。
- ESPP/RSU/ストックオプションについて
- ESPP/RSU/ストックオプションの共通点
- ESPP/RSU/ストックオプションの注意点
TOC
ESPP/RSU/ストックオプションについて
簡単にESPP/RSU/ストックオプションについて見ていきます。
ESPP
自社株を一定の割引額で購入できる制度です。上場後の外資系企業でみられる制度です。
一般的には、給料の一部(1%から15%程度)を積立て、それを元に最低でも15%割引きの価格で自社株を購入することができます。
給与を元手に購入した株のうち、割引分が給与収入として扱われます。
詳しい解説はこちらを御覧ください。
ESPPって何?やったほうが良いの?RSU
自社株が報酬という形で従業員に支払われる制度です。
RSUはボーナス的な立ち位置にある制度です。毎年または好成績を収めたものに、一定額の自社株を得られる権利を与えます。この自社株はボーナスを受け取った日にもられるものではなく、そこから4年間という期間を経て最終的に株として受け取りが完了します。一般的には、4半期毎に16分の1ずつ株を受け取れます。
本制度はボーナスなので、全て給与収入となります。
RSUの詳しい解説はこちらです。
RSUとは?気をつけるポイントは?ストックオプション
自社株をある価格で購入できるという制度です。上場前の外資系企業において、上場後に格安で自社株を購入できる権利を与える制度です。
ストックオプションは、IPO前の会社が従業員にストックオプショを提供し、上場すると大きく儲けることができるという仕組みです。仕組み上、IPOするまでは現金化できないという難点があります。
ESPP/RSU/ストックオプションの共通点
ESPP/RSU/ストックオプションの共通点は以下のとおりです。
- 自社株を利用した一種の福利厚生または報酬
- 現金化には時間と手間がかかること
- 年末調整されないため確定申告が必要なこと
自社株を利用した一種の福利厚生または報酬
どの制度も自社株を利用した制度で、現金とは別の方法で従業員に報酬を与えることができるのです。
つまり、本制度は昇給や現金を配ることがなく、会社から従業員に満足感を与えることができます。
現金化には時間と手間がかかること
どの制度も株であることから現金化に少々時間がかかるという問題がありますが、これらの制度には2つの問題点があります。
- 特にRSUとストックオプションは4年間の長い期間にわたって行使されるため、実際に株が購入するまで時間がかかる
- 海外の証券会社を利用するため、売買や電子送金が面倒くさい
従業員は全て株として受け取るためには、同じ会社に4年間ほど在籍する必要があり、会社は従業員を同じ会社に勤めさせるためにこういった制度を利用します。
年末調整されないため確定申告が必要なこと
外資系に入ると、確定申告が必要となる理由はこれらの制度です。
ESPPは申し込まなければ良いのですが、RSUなんかはボーナスの一部として提供している会社もあり、受け取ってしまうと確定申告が必要になります。
ESPP/RSU/ストックオプションの注意点
注意点は以下のとおりです。
- 会社に都合の良い制度であること
- 投資であること
- 税金
それぞれ見ていきますと
会社に都合の良い制度であること
これらの制度は会社に都合の良い制度です。
- RSUやストックオプションは行使までに時間がかかるという点から会社に長く留めるために使用
- 昇給やボーナスの際に現金を渡せない代わりにRSU
といった使われ方がされます。
重要なのは、会社に都合の良い制度であることを理解した上で利用しましょう。
投資であること
株として受け取った後は、投資に移行する点です。
自社株とはいえ、株を扱っている、すなわち投資しているという状況に置かれます。
株価は会社の業績だけでなく、世界情勢やマーケットに左右されます。
RSUとして受け取ったときは、数百万円の価値があるようなボーナスに見えたかもしれませんが、株になるときには半値の価値がないということもあります。
RSUはあくまで現金ではなく、株を取り扱っており、株価は様々な要因で左右されることは理解しておきましょう。
税金
最後に税金です。
日本の外資系社員だと、どの制度においても給与収入と譲渡収入が関わってきます。
ボーナスと類似の制度ですが、日本の年末調整には考慮されず、別途確定申告する必要があります。
基本的に株を受け取る際は給与収入となり、売却した場合には譲渡収入となります。
これらはどの点においても、納税してくれないため、確定申告を行い自身で納税する必要がでてきます。
まとめ
ESPP/RSU/ストックオプションの概要、共通点、違いについてまとめました。
どれも資産形成という点においては、有用であるとともにリスクがあることを理解しておく必要があります。
ただし、間違っても、行使されていないRSUやストックオプションなどをまるで自分の資産として勘違いしたりすることのないようにする必要があります。
また、給与と株が同じ会社に依存している状態にならないよう、他の業界の株を保有したり、上手にこれらの制度を使って、インデックス投資の元手にしたりと、自分にあった資産形成を行うことが重要です。